2021年4月5日

4月13日『ユーロマンガ4号』配信開始! 新連載 「忍びの花」を紹介!

いよいよ4月13日にユーロマンガ4号を配信開始します!ユーロマンガ4号より、新連載「忍びの花」がはじまります!
作者は、フランス発の大人気少年漫画「ラディアン」(飛鳥新社EUROMANGA COLLECTION刊、現在14巻まで刊行中)のトニー・ヴァレント先生!
日本を舞台に繰り広げられる、フランス発の忍法活劇バンド・デシネ「忍びの花」の魅力を連載に先立ち紹介します。

       

戦国x忍者xバンド・デシネ!
「忍びの花」(原題 “Hana Attori”)は、2008年にフランス・ソレイユ(Soleil)社より第1巻が出版され、2010年までに全3巻が刊行されました。本作は16世紀後半(天正8年頃)、織田信長が政権を握っていた頃の日本を舞台にした、ジャンルとしては少年漫画の作風に近いアクション・バトル系作品にあたります。
主人公である”服部はな”は伊賀忍軍に所属する見習いくノ一。家族を信長に殺された過去を持つはなは、任務の途中で織田軍の手の者に襲われた事をきっかけに、伊賀の里を抜けだし信長を追う旅に出ます。


やがてはなの前に立ちはだかるのは、妖術使い・気功術使い・からくり使い、などキャッチーな個性を放つ織田家幹部たち。はなと仲間達も各々得意な技能を活かし敵に立ち向かう、忍者物として王道なチーム戦バトルが繰り広げられていきます。未熟な主人公が仲間と共に強敵に立ち向かい、困難を乗り越え次第に成長していく…そんな熱い冒険を描くバンド・デシネです。

考証とアレンジの絶妙なバランス
「忍びの花」の更なる注目ポイントは、時代劇としての描写にも強いこだわりが込められているところ。まず時代設定は、史実に基づき「天正伊賀の乱」の時期に正確に合わされており、トニー・ヴァレント先生の本気度が伝わります。武家屋敷や城の造りにも、漫画的な誇張・省略はありつつも、しっかり古い日本の様式が表されています。織田軍の幹部が集う場面には「織田木瓜」紋が描かれているのも、思わず「わかっている」なとニヤリとしてしまいます。
一方、全体的には画面の楽しさを重視した現代流のアレンジがしっかり加えられています。特にバトルの場面では、忍者らしく縦横無尽に飛び回るアクションが映えるよう、背景の空間を広くとった描写が目を引きます。考証のこだわりと漫画的アレンジの妙、そして何よりも大画面でのフルカラー表現が合わさり、戦国時代劇かつ現代風、アクション満載なバンド・デシネ作品…と独特の魅力をもっています。

「ラディアン」へつながる作風の系譜
加え、「忍びの花」を語る上で欠かせないのが、日本漫画的な表現を全面的に採用したバンド・デシネとしてはかなり早い時期の作品にあたるという点です。本作は、2000年代初頭にソレイユ社が日本を含むアジア圏の作風・文化の影響を受けた作品を特集
した、”Soleil Levant” (『日の出』=『日出づる』国にかけた)コレクションの一環として刊行されており、先進的・挑戦的な作風であった事が察せられます。作者のトニー・ヴァレント先生が後々本格的に日本漫画形式の作品に取り掛かる事も踏まえ、「ラディアン」に至る作風の変遷を見る事もまた、本作を楽しむポイントとなるでしょう。


フランス発、戦国時代劇&少年漫画流の忍者バンド・デシネ!まさに「ユーロマンガ」のタイトルにふさわしい「忍びの花」をユーロマンガ4号からお届けします。お楽しみに!

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